「いま、やるべきこと」Vol.18

 
INDEX
  ■ボランティア情報
  ■ボランティア募集
  ■気仙沼での活動報告
 
 
■ボランティア情報
 
 以下の地区でボランティアを募集しております。
 災害からの時間経過と共に、ボランティアスタッフが集まりにくくなっている現状があります。以前の生活を取り戻すために、被災地は皆さんの力を必要としています。
 
  1、南三陸地区への派遣要請
    派遣日:平日(月〜金)
    派遣希望人数:毎日1名
    ボランティア内容:避難所・居宅等の要支援者への運動指導・環境整備指導
    その他:可能であれば連泊を希望
        自家用車持ち込み必須
  2、石巻地区への派遣要請
    派遣日:平日(月〜金)
    派遣希望人数:毎日1〜2名
    ボランティア内容:避難所(遊楽館)内の要支援者への運動指導
    その他:単日参加可
  3、鳴子温泉地区への派遣要請
    派遣日:6月以降(詳細は決まり次第ご連絡いたします)
    ボランティア内容:南三陸町から鳴子温泉各旅館等へ二次避難されている
要支援者に対して、個別・集団での対応
    その他:可能であれば大崎圏域のPTにお願いしたい
 
  ※ボランティア既登録の方は住民支援班まで御連絡ください
      松田病院 リハビリテーション科  坪田朋子
       TEL:022(378)0823 アナウンス後(3045)を押してください
  ※新規登録の方は次項をお読みいただき、ボランティア登録をお願いします
 

 
■ボランティア募集
 
 新たにボランティア活動を希望される方は、ボランティア保険加入・緊急時連絡先の確保などの点を考慮して、事前登録をお願いいたします。
 下記フォームより必要事項を送信くださるか、活動支援班まで御連絡ください。
  : https://spreadsheets.google.com/spreadsheet/viewform?formkey=dGItcnVJM2tDdFdJc0RZSGc0VEhBQVE6MQ
 
 また併せて、以前登録いただいた会員でご自宅住所などの登録をされていない方については、下記フォームより追加事項を記入送信ください。
 
 https://spreadsheets.google.com/spreadsheet/viewform?formkey=dHFjeGNLbVhtRnF1ekZROTV2QjJlT3c6MQ
 
 活動支援班 連絡先 : pt.miyagi*gmail.com (*を@に変えてください)
 
 
気仙沼での活動報告
 
 遠く山梨県よりボランティア活動に起こしになられたPTから、活動報告を頂戴しました。(一部編集しています)

4月18〜22日、気仙沼市で活動させていただいた、山梨県の小野です。
遅くなりましたが、貴重な体験をさせていただいたので、活動のご報告をしたいと思いメールいたしました。
多少なりとも今後気仙沼に行かれる方のご参考になればありがたいです。

【期間】2011年4月18〜22日の5日間

【集合】
<初日のみ>8:00宮城県気仙沼保健福祉事務所(以下保健所) 正面玄関
 <平常時>8:30気仙沼市民健康管理センター「すこやか」エントランスホール
ここは各地からの医療チームの拠点となっていました。ボランティアセンターもここにありました。

【時間】
8:30(初日のみ8:00)〜17:30頃まで(終了時刻はその日の活動内容による)
 
【活動内容】
保健所所属のPT後藤さんがコーディネートする「気仙沼・地域リハビリテーション支援チーム」の一員となり、避難所、施設、在宅を訪問しました。
 初日のみ8:00〜後藤さんよりオリエンテーションを受ける。資料、名札の配布、名簿の記入。8:30〜リハチームでミーティング、当日の活動内容を確認の上9:00頃出発。

<避難所>
3日間で5か所、保健所の車とメンバーの車に分乗して5〜6名で訪問。日中は外出している方が多く、残っている方は高齢者がほとんどでした。
寝たきりなどの要介護度の高い方はいませんでした(「福祉避難所」にいらっしゃるそうです)が、杖歩行の方、歩行が監視〜軽介助レベルの方は各避難所にいらっしゃいました。仕切りのある所はごく一部で、狭い場での床上生活で、通路が狭い所もありました。
 皆さんの様子は想像していたより暗い雰囲気ではなく、声かけあって協力し合っているように見えましたが、ストレスは相当なものだろうと感じました。
 どこの避難所でも決まった時間に体操を実施しているようでした。一部のデイサービスが再開して避難所にも送迎があり、要介護者で入浴希望の方は利用されていました。
 はじめに各避難所に常駐する保健師さんや看護師さんに声をかけ、保健所のチームであることをアナウウンスの上、2名1組で手分けして個別対応しました。保健師さんや看護師さんが対象者をピックアップしてくれる所もありました。他にアナウンスを受けて自ら相談されてくる方や、こちらから気になった方に声をかけました。     
 要介護者の生活状況聴取・助言、杖の支給、疼痛の訴えに対する助言、靴・コルセットの支給、シルバーカーの手配、環境整備の提案などを行いました。杖は保健所で用意があり、靴とコルセットは宮城県OT士会、もしくはボランティアが持参したものを支給しました。他の福祉用具は後藤さんにお伝えして手配しますが、届く目途がなかなか立たない状況でした。
インタビューしてみると、これまで遠慮されて黙っていたけれど、トイレや入浴で困っておられる方がいらっしゃいました。保健師さんに報告し、可能なケースは対策を立ててくださいました。環境整備は、避難所の特性上勝手に変更できない所も多く、うまく実行できませんでした。
私見ですが、各避難所に1〜数名(避難者100名に1名くらい)は、震災後ADLが低下しているなど、継続して関わった方が良いと思われる方がいらっしゃいました。生活の中で行えることを提案しましたが、本人・ご家族だけで行うには負担が大きいと感じ、依頼できる所では、看護師や介護士に、離床や散歩を助けてもらえるようお願いしました。しかしスタッフの入れ替わりがあったり、依頼できない避難所も多いので、PTOTが寄り添って活動をお手伝い出来ることが望ましいと思いました。
中年層で障害の無いお元気な方の腰・肩・膝の疼痛に関しては自主トレも良いかと考え、一部簡単な体操を紹介しました。
 
<施設>
特別養護老人ホーム1か所。保健所の車とメンバーの車に分乗して6名で訪問しました。
震災前はPTが月1回訪問しておられたのが皆無になったこと、被災施設から入居者を受け入れ入居者数が増えたことから訪問となったようです。 
歩行練習の希望のある方への個別対応、ポジショニングの提案、エアマット交換のお手伝い、寝たきりの方への四肢ROMexなどを実施しました。
介護士の方は積極的ですがマンパワーが十分ではないので、生活の中の少しの配慮で出来ることを提案するのが役割かと思われました。

<在宅>
1.5日間で6件。ケアマネジャー、もしくは気仙沼市唯一の訪看ステーション「南三陸訪問看護ステーション」の看護師の車に同乗し、同行訪問しました。
6件中2件は、震災をきっかけにADLが低下していました。もともと認知症や意識レベル低下があって地震のことを理解していなくても、長く続く余震や停電などによる心理的ストレスがあるようだというのが看護師さんの見解でした。
また停電によりエアマットと電動ベッドが何日も動かなくなり、褥瘡が悪化したケースも多くあるようでした。私が伺ったケースでは今後の必要性を判断するケース、看護師さんに出来ることを提案するケース、以前からの継続で拘縮予防と離床を行う寝たきりのケースがありました。以前から継続のケースは、初めてなのでむしろ対応に苦心しました。看護師さんに前の内容を聞くか、可能であれば前の対応票を見た上で伺ったほうが良いと思いました。

16:00頃帰庁、記録し、後藤さんに提出します。
記録用紙は、保健所でもともと使用している用紙を使用します。
「つなぎ票」:本来は他職種からリハの依頼を受ける為の用紙です。今回避難所で対応したケースは、この票も「対応票」と一緒に両方記録します。
「対応票」:つなぎ票を受け、対応したリハ職が記入する用紙です。特に今後のリハ職の関わりの必要頻度の判断は、対応者に一任されています。とても迷いましたが、実際の頻度はいろいろなことを加味して後藤さんが決定されるので、純粋に必要と考える頻度をつけさせていただきました。
 個別のケースの申し送りは記録提出で済ませ、特に報告・相談があればこの時間にします。
終わった人から帰れます。   
17:00〜全国から集まった医療チームのミーティングがありますが出席の義務は無いです。参考までに時々聞いていました。
 災害医療は終了しつつあり、もともと医療資源の少ない地域に大勢の医療チームが入っているが現在飽和状態で、地域の医師がすでに復旧しているので、5月からはチームを撤退して地域に返していこうという話し合いがされていたのが印象的でした。      

【メンバー】
毎日5〜7名のPTOT+0〜1名のST。
 大部分は各地からの医療チームの一員として、医師や看護師と一緒に来られた方でした。
 次に多いのは日本OT協会にボランティア登録している方々でした。
 5月以降、医療チーム撤退後は特にPT が不足するのではないかと心配しています。

ライフライン等】
拠点は、電気・水道とも使用可能。
 保健所近くにコンビニとスーパーがあり、水・食糧とも購入可能。
 回った避難所でも電気・水道とも使用出来ていました。トイレも仮設を借りられます。
 タクシーは普通に動いています。
 JR大船渡線と、高速バスが動いていました。
   
【宿泊】
気仙沼観光協会」に電話で問い合わせて手配しました(ビジネスホテル「とみや」1泊4000円、食事なし、共同の電子レンジ・電気ポットあり、拠点まで徒歩30分)。運良く予約できましたが、どこも満員です。
 OT協会からの方は現地OTさんのご実家でやっている学習塾などの一角に泊まっていました(男女別)。風呂は銭湯利用で、車が無いと女性は遠いので入れていないようでした。
各県からの医療チームは岩手県の旅館に宿泊しレンタカーで来ていました。
 「すこやか」内ボランティアセンターに来ているボランティアの方は近くの公園にテントを張っていました。

【持ち物】
 [必須] 携帯電話、ボールペン
[なるべく持参] 飲料水、昼食(車があれば昼休みに買いに行けます。)
 [あると便利] ウェットティシュ、ハンド除菌ジェル、記録の為のボード、はさみ、マジック、ビニールテープ、
 [あればベスト] 車、長靴・うわばき(今回は使いませんでした。避難所は靴下のままか、来客用スリッパがある所も)
 [無くてよいもの] 期間中の飲料水、朝夕の食事は現地で調達可能です。車が無い方は買いそびれた場合の為に数回分持ってきても良いかもしれません。

ボランティア保険
私は出発前に山梨の方で加入しました。その方が、行く時の事故などにも対応されるので良いかと思います。

以上、状況が変わっている部分も多々あると思いますが、ご報告させていただきます。
医療チームは撤退しても、避難されている皆さんの生活の場が確定するまでは、リハ職の継続的関わりが必要と思いました。
気仙沼は、後藤さんがうまくチームを引っ張ってくださり、良いチームワークで動けていたと思います。
ただ、お一人で非常にハードな仕事量を抱えておられ、コーディネートの仕事は現地の方にしか出来ないこともあり、お手伝いできないのが歯がゆい思いでした。
また伺いたいと考えておりますが、今のところ時期の目途がたたず申し訳ありません。

                     

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